第43回 科学と倫理、科学リテラシー、伊達直人ブーム

年末年始の話題からスタート。USTREAMで配信された坂本龍一のライブを聴き、その音質の高さに感動したという武田は、インターネットを介した配信・発信の変化から何を感じるのか。トークテーマは、粥川が「代理出産と出生前診断」、山下は「情報の公正性と”市民”の科学リテラシー」、赤木が「伊達直人ブーム再考」。収録は大久保・ルノアール会議室。
(2011年1月14日収録)

参加メンバー
・赤木智弘
・粥川準二
・山下祐司
・武田徹

 

◆第43回を視聴

◇chapter 1 代理出産と出生前診断[TIME 0:00〜0:42]
それぞれが、議論の対象となってきた代理出産と出生前診断。粥川が取り上げたのは、この2つが重なっている事例だ。出生前診断によって、代理母が妊娠中の子どもがダウン症だと判明、代理出産を依頼した夫婦は中絶を要求したが、代理母がそれを拒否したという。この他にもいくつかの事例と学者らのコメントをあわせて紹介し、こうした「我々の倫理的考察能力の限界を試されるかのような問題」、そして「技術によって生み出される『リスク』」について考える。

 

◇chapter 2 情報の公正性と科学リテラシー[TIME 0:42〜1:07]
1998年、MMRワクチン(麻疹、風疹の混合ワクチン)と自閉症との関連を示唆する報告がイギリスの医学雑誌に発表された。その内容は新聞やテレビで大きく取り上げられ、英国内では同ワクチンの接種率が低下、自閉症の子どもを持つ親のうち20%(それまでは4.3%)が、ワクチン接種を原因に考えるようになった。しかし、その後MMRワクチンと自閉症発症の関係を否定する報告が発表され、最初の報告も2010年2月に撤回された。こうした事例を基に、「正しい」情報、メディア、あるいは科学リテラシーのあり方について考える。

> 中谷内 一也『安全。でも、安心できない… ─信頼をめぐる心理学』(筑摩書房)

 

◇chapter 3 伊達直人ブーム再考[TIME 1:07〜1:26]
昨年末、巷で話題になった「伊達直人」。群馬県中央児童相談所の玄関に10個のランドセルが置かれていた。その後、各地の児童養護施設などに「伊達直人」や、その他の匿名を名乗ってのランドセルや文具品などの寄付が相次いだ。マスメディアでは、こうした一連の「伊達直人ブーム」を善意の連鎖として好意的に扱っている。しかし、これらは本当に「善きこと」なのだろうか?