第56回 内部被ばく検査、誹謗と差別、マナーの暴走

“This is for everyone” —- ロンドン・オリンピック開会式に登場した「HTTPとWWWの父」ティム・バーナーズ=リーによるツイートや一連のセレモニーに武田は何を見たのか。トーキョーは、ロンドンばりのウィットを育むことができるだろうか?
JCcast第56回、粥川は福島での内部被ばく検査についてのレポート、山下は東電社員への誹謗や差別についてのレポートを紹介し、それぞれが伝える「フクシマ」を基点にトークを展開。赤木は『BLOGOS』での記事をベースに、公共空間での「マナーの暴走」について話題を提供する。
(2012年8月22日収録)

参加メンバー
・赤木智弘
・粥川準二
・山下祐司
・武田徹

 

◆第56回を視聴(01:16:55)

 

◇chapter 1 坪倉正治氏らによるレポート【粥川】[0:08〜0:24]
東日本大震災発生以降、福島・南相馬市内で住民を対象とした内部被ばく検査を行ってきた坪倉正治氏(東京大学医科学研究所)らによるレポート「福島原子力発電所事故後の内部放射線被曝」が発表された(『米国医師会雑誌(JAMA)』8月15日)。約9500人を対象に行われたこの検査では、住民の内部被ばくが低レベルに収まっていることが明らかになったが、レポートでは『この低い被曝レベルが、低くて継続的な被曝によるものなのか、それとも高い被曝値からの放射性崩壊によるものなのかを確かめることは不可能である』とし、また『放射線の長期的な影響を評価するためには、影響を受けた地域社会の被曝と健康状態の継続的なモニタリングが必要である』と指摘する。

> Internal Radiation Exposure After the Fukushima Nuclear Power Plant Disaster(JAMA Network)

 

◇chapter 2 ”不当な”誹謗、”不当な”差別【山下】[0:24〜1:04]
福島第一原発事故の「加害者」とされ、精神的な健康を損なう東電社員たち。震災や事故そのものよりも、非難や差別による精神的苦痛がより大きな影響を与えているという。調査を行っている愛媛大学大学院の谷川教授は、事故から1年以上たっても強いストレスが日常業務に影響を与えている例もあり「心の健康の回復には社会からの支援が必要だ」と話す。誹謗と差別はどこで生まれ、どこに現れるのか。
また放射能や原発に関する市民の理解、原子力産業に携わる研究・技術の今後についてなど。

> Psychological Distress in Workers at the Fukushima Nuclear Power Plants(JAMA )

> 「出て行け」貼り紙も…原発勤務の東電社員調査(読売新聞)
> 福島原発の東電社員、4割に心の変調 事故後の中傷で(朝日新聞)

 

◇chapter 3 「公共空間」のキレイさ【赤木】[1:04〜1:30]
過剰なルールを敷かれ、清廉となった公共空間では、ルールを御旗として正義が暴走することがある —- 本来は「マナー」であったものが、ルールとして個々人に規範であるとみなされる。それがたとえ悪習であろうと訂正されず、また一方で、マナー違反が他者攻撃のツールとして利用されることは、私達が社会生活を営んでいく中で、不利益となってしまっているのではないだろうか。

> 【赤木智弘の眼光紙背】芝が人間を排除するとき(眼光紙背)