第58回 iPS細胞を巡る思索、安全を遠ざける思考

Test Tube山中伸弥氏のノーベル賞受賞に沸く(?)JCcast、第58回。粥川はiPS細胞と科学技術をめぐる生命倫理、山下は”トリックスター”森口尚史氏の「功績」について。赤木は、10月に発生した「丸の内線車内でのアルミ缶爆発事故」を起点に、日常が内包する危険について話題を提供する。
(2012年11月16日収録)

 
参加メンバー
・赤木智弘
・粥川準二
・山下祐司
・武田徹

 

◆第58回を視聴


◇chapter 1 科学技術と生命倫理【粥川】[0:00〜0:24]
科学技術の発展と優れた功績は、生命倫理についての議論を軽んじることにつながらないだろうか —- そう危惧する粥川は、しかし、山中伸弥氏自身が生命倫理を重視する態度を表明していることに安堵する。同時に、iPS細胞と生命倫理的な問題の関係を指摘。またiPS細胞の研究を報じる記事などで「(人工的につくられた細胞の)品質」という言葉が使われていることを紹介し、こうした表現は、人体がすでに工業製品あるいは資源として捉えられていることを表していると説明する。

 

◇chapter 2 森口尚史氏の功績【山下】[0:24〜1:01]
山中氏のノーベル賞受賞のお祭りムードをさらに盛り上げたのは、「iPS細胞心筋移植」を成功させたという、森口尚史氏の登場だった。山下は「iPS細胞の現状や未来に付いて、危険性もふまえて考えるきっかけを与えてくれた」と評する。
一方、武田はメディアが森口氏や大学の”自供”や”証言”のみを基盤として報道し、あるいはそれを以て「誤報」としたことについて疑問を示す。「検証記事」は、本当に報道のあり方を問うことができたのだろうか。

 

◇chapter 3 「アルミ缶爆発事故」から【赤木】[1:01〜1:22]
自分たちの側に潜む危険性を、私たちは果たして認識できているのだろうか? 認識できない者を、無知として嘲笑できるだろうか? 危険性の認識とその回避を、どこまで個人に担わせることが妥当なのか。
「適度な社会」はいかにしてつくることができるのだろうか。

> 【赤木智弘の眼光紙背】「分かって当たり前」が安全を遠ざける