有毒廃棄物で揺れるコートジボワール(2)

--- 2006年10月11日

 先日、アフリカのコートジボワールで、オランダ企業(役員はフランス人)がチャーターしたパナマ船籍の船「プロボ・コアラ号」が運んできた廃棄物が、地元住民に多大な健康被害をもたらしたことを紹介した。

 10月6日付ロイター通信によると、同船はその後、エストニア当局によって同国のパルジスキ港に拘留された。同船はエストニアでも問題を起こしかけているようだ。
 

象牙海岸のチーム、エストニアで有毒廃棄物検査を援助Ivory Coast team in Estonia to help toxic waste probe 
2006年10月6日(金曜日)東部標準時午前10時33分

デイヴィッド・マーディスト

 タリン発、10月6日(ロイター) 金曜日、象牙海岸からの派遣団がエストニアに到着した。西アフリカでの有毒廃棄物の致死的な廃棄の調査の一環として、である。
 パナマ船籍のプロボ・コアラ号Probo Koalaは9月27日、エストニアの港パルジスキに拘留された。同様の廃棄物をバルト海に放出した疑いがあるのだ。
 エストニアの環境省は、同船の周囲のバルト海のミスの予備調査は疑わしい徴候を示した、と言った。
 しかし、この船をチャーターした、オランダ本社の石油取引会社トラフィギュラ・ビーエBVは、エストニアでこの船に積まれている液体は、8月に象牙海岸で投棄された積荷とは異なる、と言う声明を発表した。
「エストニアのプロボ・コアラ号に積まれている廃棄物は、アビジャンで廃棄したものとは、同じものではありません」と、同社はその声明のなかで述べた。
 アビジャンでは8人が死に、何千もの人々が嘔吐や胃の痛み、吐き気、呼吸困難に苦しんだ。タンカーから降ろされた後、屋外に廃棄された黒い汚泥からの刺激臭のある煙によって、である。
 独立した専門家たちは、その汚泥は硫化水素を含んでいた、と言う。高濃度では致命的になりうる化学物質である。
 同社は、アフリカに捨てられたその廃棄物を「化学的汚水」と表現した。ガソリンと使用済みの苛性ソーダ、水の混合物である。また、それは石油を運ぶのに使われるタンクの浄化では普通に出る副産物である、と同社は言った。
 アビジャンでは、10人が西アフリカ国家の有毒廃棄物法のもとで逮捕され、投獄された。それらには、トラフィギュラ・ビーエBV社のフランス人役員2人も含まれる。
「象牙海岸からの派遣団は今日、到着し、彼らはすでに検察官のオフィスで会議を開きました」と同オフィスのスポークスウーマンがタリンで言った。
「派遣団は、エストニアで何が起きているか議論し、エストニアの捜査官らと情報交換し、そして彼らがお互いに助け合う方法を見いだしています」とスポークスウーマンは言った。
 同船は犯罪捜査が続くあいだは拘留され続ける、スポークスウーマンは付け加えた。
 EU〔欧州連合〕の環境長官スタブロス・ディマスStavros Dimasはエストニアを訪問し、そこで彼は拘留されている船を捜査した。彼は、アフリカでの事件を非難し、このような事件をストップさせるために制度されたヨーロッパ法による監視行動の強化を断言した。
 アムステルダム港当局によると、同船は、その汚水をアフリカで捨てる1カ月前には、アムステルダムで悪臭に満ちた積荷を流そうとしたのだが、止められたという。
 オランダの検察官たちは、同船が運ぶ物質が危険なものであることを所有者らが知っていたかどうかを調査している。エストニアの検察官のオフィスは、オランダ当局から法的援助のための公式要求を受け取った、と言った。

 一方、10月9日付『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』は、コートジボワールでも、回収された有害廃棄物がトラブルを起こしていることを伝えるAP通信の記事を掲載している。

抗議者ら、廃棄物貯蔵計画をめぐり、象牙海岸港をブロックProtesters briefly block Ivory Coast port over waste storage plan  AP通信 2006年10月9日(月曜日)

 アビジャン----アビジャンの港に、象牙海岸に投棄された有害廃棄物を貯蔵する計画に対して怒った象牙海岸の住民たちは、一時的に、積荷トラックが同地域に入るを阻止した、と、月曜日、警察が言った。
 約100人の人々が朝から昼頃まで、トラックすべてをブロックし、同国の主要港の輸出運輸を阻害した、と、マリウス・トレドMarius Tolede警察軍曹police Sgt. は言った。午後までに、輸送はノーマルに戻った。
 抗議者たちは主に港地域の住民たちで、彼らは、都市周辺のゴミ捨て場から除去された有毒廃棄物を貯蔵する計画に腹を立てている、とトレドは言った。
 その廃棄物は、8月後半にオランダ本社の商品取引業者によって象牙海岸〔コートジボワール〕の首都〔アビジャン〕に運び込まれ、都市中に投棄されたもので、死者8人を出したために非難され、嘔吐や吐き気の治療を求める人々を何千人も病院に送り込んだ。
 象牙海岸の人々は、自分たちの政府がその廃棄物を扱ってきたやり方を非難した。それは、国連の調査では、致命的な化学物質を含む可能性のあるものである。
 木曜日、政府は、それが処理されうるまで、港に廃棄物を移動させることを決定した、とトレドは言った。その廃棄物はおおむねゴミ捨て場から除去され、ドラム缶に入れられ、別の場所で金属のコンテナのなかに置かれた。
 廃棄物はまだ港に送られていない、とトレドは言った。
 この抗議では誰も逮捕されず、警察が住民たちに立ち去るよう言うと、平和的に終わった、と彼は付け加えた。
 デンマークの輸送会社マエルスクMaerskは、運営責任者セヴェリン・ド・ロエスSeverin de Loesによると、この阻止行動は同社のスケジュールに影響しなかった、と言った。その一方で、自分たちはわすかな遅れを経験した、と言った者もいる。
 この廃棄物に関連して10人が逮捕されている。港および税関の役人、オランダ企業の役員、そして同社がそのゴミを処理するために雇ったコートジボワールの請負業者である。税関の役人3人は、短期間の税関のストライキの後、釈放された。

 プロボ・コアラ号をチャーターしたトラフィギュラ・ビーエBV社は、「石油取引会社oil trading firm」であり、アビジャンで捨てた「化学的汚水」はガソリンと使用済みの苛性ソーダ、水の混合物で、「それは石油を運ぶのに使われるタンクの浄化では普通に出る副産物」と説明している。しかし、石油タンクの掃除など世界中で行なわれているはずで、その「副産物」がなぜ、安全に処理されることなくアフリカで捨てられたのか、その辺りの事情がいまいちわからない。続報を待とう。06.10.11

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