サイズの問題!?

--- 2006年11月03日

 ナノテクノロジーのリスクについての原稿を書き終えたばかりなのだが、アメリカでは、国家研究評議会の分科会が『サイズの問題』という報告書をまとめたらしい。

『ワシントンポスト』のリック・ウェイス記者がその概要と反応を伝えている。ご参考までに。06.11.3

知られざるナノテクノロジーのリスク Nanotechnology Risks Unknown I潜在的な危険に払われている注意は不十分、と報告書は言う Insufficient Attention Paid to Potential Dangers, Report Says

リック・ウェイス
『ワシントンポスト』スタッフ・ライター
火曜日、9月26日、2006年、A12面

 アメリカ合州国はナノテクノロジー----新しく開花した、信じられないほど小さな物質やデバイスをつくる科学----における世界的リーダーである。しかし、ナノスケールの製品によってもたらされる、環境や健康、そして安全性リスクへの十分な注意は払われていない、と、独立したアメリカ学術研究会議が昨日〔9月25日〕発表した報告書は述べている。
 連邦政府の役人や企業の幹部らが、ナノテクの安全性の知識におけるギャップを埋めるための計画を考案しないのならば、この分野の大きな展望は、人々の不信の雲のなかに消え失せるだろう、と報告書は警告する。
「人工的につくられたナノ粒子が、実験動物の健康に悪影響をもたらしたという、いつくかの証拠がある」と、先週のホワイトハウスでのヒアリングにおいて、ほかの者たちからあがった懸念に答えて、議会によって委託されたこの報告書は言う。そのリスクが十分に理解されるまでは、「労働者や公衆、そして環境の健康や安全性を守るために、あるていどの予防手段を採用することが賢明である」。
 176頁の報告書「サイズの問題A Matter of Size」は、「国家アカデミーNational Academies」の支援の下で準備され、科学の問題について議会に助言するよう公認されたものである。この報告書は、ナノテクノロジーにおける国家的研究を連携し、優先順位を位置づける「国家ナノテクノロジー・イニシアティブthe National Nanotechnology Initiative」に焦点を当てている。ナノテクノロジーは駆け出しの分野であるが、潜在的には革命的な科学であり、1メートルの10億分の1ほどの小ささの物質を扱う。
 そのサイズにおいては、従来型の物質が従来的でないあり方で振る舞う。たとえば、電気を通さない物質や、脆弱な物質のなかには、〔それが〕十分に小さくつくられたときには、素晴らしい伝導体になったり、きわめて強固になったりするものもある。しかしナノ粒子はまた、ヒトの細胞のなかに入り込んだり、土壌において化学反応を引き起こしたりして、生物学・生態学的プロセスに干渉しうる。
 この報告書は、アメリカの研究への尽力は活気にあふれており、ほんの数カ国が背後に近づいているものの、ほぼ確実に世界一強力であると結論づけている。より重要なのだが得られていないニーズは、その分野が必要とするスキルをともなった科学者や技術者の補充を後押しするための、教育部門や労働部門との強力な連携である、と報告書は言う。
 国にはナノテクの健康や安全性についての視点が欠落しているというこの報告書の懸念は、木曜日〔9月21日〕に開かれた議会科学委員会のヒアリングで予告されていた。そこでは共和党も民主党も同様に、ナノテクのリスクについてもっと知るための計画の欠落に対して取り組むよう、ブッシュ政権を促した。
 委員長のシャーウッド・L・ベーラート(共和党、ニューヨーク)は、「緊迫感が求められているとき」における、同政権の、解決に対する「のろまな歩みsauntering」を非難した。
 民主党第一位Ranking Democratのバート・ゴードン(テネシー)はさらに、このヒヤリングのときに公表された、同政権のナノテク研究のニーズの最新要約を、「きわめて幼稚な仕事」と呼んだ。
 部分的にスミソニアン研究所から資金を得た「新しいナノテクノロジーをめぐる計画Project on Emerging Nanotechnologies」のチーフ科学アドバイザー、アンドリュー・メイナードは、政府はナノテクノロジーの潜在的危険性について年間約1100万ドルを使っているが、産業界や環境団体はともに少なくとも年間5000万から1億ドルを要求してきた、と言う。
 同様に重要なことは、そのカネを賢く使うための協力戦略の必要性だ、とメイナードは言う。
 およそ300もの消費財がすでにナノスケールの原料を含んでいる、とメイナードは言う。そのなかには、いくつかの食品や多くの化粧品があり、それらの安全性を立証するための研究はわずかか、もしくは皆無である。
 産業界は2014年には〔ナノテクが〕2兆ドルの価値を持つことを期待している。
 食品医薬品庁の科学副長官associate commissionerで、先週連邦議会に示された、政権の概要的研究計画summary research planをつくった作業部会の議長ノリス・オールダーソンは、この文書は----6カ月前に発表されると思われていたのだが----「第一歩」だと考えられる、と言った。
 もっと多くのことがあなたやあなたの作業部会には期待されていることを理解しているのか、とベーラートに尋ねられると、オールダーソンは次のように答えた。「私はあなたのメッセージはよくわかります」

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