「サイエンスアゴラ2006」にて
--- 2006年12月02日
もうすでに旧聞に属することだが、去る11月26日(日)、午前中からゆりかもめに乗って、日本科学未来館などで開かれた「サイエンスアゴラ2006」というイベントをのぞいてきた。
僕はいくつかのセッションを、文字通り“のぞいた”だけということもあるが、要するに“科学技術コミュニケーション業界”の顔合わせ会らしく、あまり真剣に批評する気にはなれない。北海道在住の友人が来ることを知らなかったら、たぶん行かなかったと思う。
でも、少しだけ面白い現象を目撃した。
未来館の隣の東京国際交流館では、さまざまな科学技術コミュニケーションの取り組みについてのポスター・セッションがなされていた。そこでは、たとえば「サイエンスポータル」だとか「ゲノムひろば」などとまったく対等に、イラストレーターの竹村真由子さんが主宰する「サンレオール」が紹介されていた。サンレオールは、基本的には竹村さん個人のレーベルのはずで、カレンダーや「ルーペ」という雑誌などを発行している。
このことは、権威主義ではないという意味で、ポジティブに評価したい。
一方、別の区画では、各地の大学における科学技術コミュニケーション教育の取り組みが紹介されていた。小さくて見にくいだろうが、「東京大学」のところには、「科学技術インタプリター養成プログラム」だけが掲載されていた。
そう、同じ東大でも、先端研の「安全・安心な社会を実現する科学技術人材養成」プロジェクトの「ジャーナリストコース」はまったく紹介されていないのである。
武田徹さんは自分の日記の「なにを祭り、何を祝福しようとするのか」というエントリーで「話すら一切かからなかった」と書いている。
背後にどんな駆け引きがあったのかは知らないが、このバランスの悪さはどうも居心地が悪い。また、僕は、ある意味では武田さん以上に“科学技術コミュニケーション業界”から疎外されているのでよくわからないのだが、日本でいま盛んになりつつある科学技術コミュニケーションには、煩悶や葛藤といったものの欠如を感じている。このことと、ポスター・セッションで気づいたこととは、どこかでつながっているのだろう。
そうは言いつつも、僕もつき合いがあるので、懇親会まで参加してしまった。終了後、荷物をまとめているとき、某氏が冗談で「カユカワさん、こんな科学プロパガンダの場所にいて、いいんですかあッ!?」と言ったら、周囲が大爆笑。このことが唯一の救いだったかもしれない。少なくとも僕にとっては。06.12.2

