[2008年06月] のアーカイブ

“万能な”、もしくは“普遍的な”細胞

--- 2008年06月08日

 僕は繰り返し述べているように、「万能細胞」という言葉に強い違和感を持っている。
 では、この「万能細胞」という言葉は、いつごろから使われ始めたのか。
 ES細胞もまた、「万能細胞」と呼ばれていたはずだが、記憶に自信がないので、先日、新聞記事のデータベースを検索してみたところ、少なくとも『朝日新聞』と『毎日新聞』は、ヒトでのES細胞の樹立成功を伝える初報から「万能細胞」を見出しに掲げていたことがわかった。

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iPS細胞とクローン技術

--- 2008年06月07日

 ヒトでのiPS細胞の作製成功が報告された時期に、クローンヒツジ「ドリー」で有名なイアン・ウィルムットがクローニング研究の放棄を宣言したことは日本のメディアでも流され、もちろん『ガーディアン』や『BBCニュース』でも報じられたのだが、その背景まで最も深く掘り下げたのは、『テレグラフ』2007年11月16日付の記事である。

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ブッシュ政権の幹細胞政策

--- 2008年06月06日

 iPS細胞をめぐる報道が相次いでいる。
 周知のように、アメリカのブッシュ政権は、ヒト胚を壊して得るES細胞(胚性幹細胞)研究に批判的で、それへの連邦予算の使用を制限してきた。その一方で、ヒト胚を壊すことなく得られる「倫理的な幹細胞ethical stem cell」の追求には熱心で、京都大学の山中伸弥教授らが、ブッシュ政権のいう「倫理的な幹細胞」に含まれると思われるiPS細胞の樹立に成功する前から、その方針を示してきた。

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