オバマ大統領の幹細胞「命令」----JCcastの資料として

--- 2009年09月03日

 おひさしぶりです(こちらでは)。
 もうすぐ公開されるjournalism.jpのポッドキャスト番組「JCcast」では、「政権交代」を特集しています。僕は「生命倫理が選挙・政治の争点になる国、ならない国」(仮)という話をしました。

 そのなかで、アメリカではES細胞研究の是非が選挙や政治の争点になっていること、今年3月9日には、オバマ大統領がES細胞研究への連邦予算の支出制限の緩和を命じた「大統領命令」にサインしたことを紹介しました。
 いまさらですが、その「大統領命令」を訳出したものを紹介します。ご参考までに。誤訳の指摘は歓迎です。メールしていただければ幸いです。09.9.3
 

THE BRIEFING ROOM
記者会見室

THE WHITE HOUSE
ホワイトハウス

Office of the Press Secretary
大統領報道官オフィス

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For Immediate Release March 9, 2009
即時公開 2009年3月9日

EXECUTIVE ORDER
大統領命令

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REMOVING BARRIERS TO RESPONSIBLE SCIENTIFIC RESEARCH INVOLVING HUMAN STEM CELLS
ヒト幹細胞にかかわる、責任ある科学的研究のための障壁の除去

 アメリカ合州国憲法とその法律により大統領としての私に付与された権限によって、ここに、以下のように命令する。

第1部 政策 ヒト胚性幹細胞やヒトの非胚性幹細胞には、障害を引き起こす多くの疾患や健康状態のさらなる理解や治療につながる可能性がある。この展望のある科学分野における過去10年の進展は、励みになるものであり、この研究が連邦予算によってサポートされるべきであるという科学界の幅広い同意を導いている。

 過去8年間、国立衛生研究所(NIH)を含む保健社会福祉省当局は、ヒト胚性幹細胞研究に資金を支出し、それを実施することについて、大統領の行動によって制限されてきた。この命令の目的は、科学的探求についてのこうした制限を取り除き、ヒト胚性幹細胞研究を探求するNIHのサポートを拡大することである。そしてそうすることによって、人類の利益のためになる重要な新発見や新治療法を目指すアメリカの科学者たちの貢献を強化することである。

第2部 研究 保健社会福祉省(長官)はNIH長官を通じて、責任ある、科学的に価値のあるヒト幹細胞研究をサポートし、それを実施するだろう。それにはヒト胚性幹細胞研究が含まれる。法律によって許される範囲まで。

第3部 ガイダンス この命令の日付から120日以内に、同省はNIH長官を通じて、現存するNIHのガイダンスやそのほかの広く認められているヒト胚性幹細胞研究についてのガイドラインを再検討するだろう。それは適切なセーフガードを確立する条項を含み、この命令と調和する、こうした研究についての新しいNIHガイドラインを発行するだろう。同省はNIHを通じて、定期的に、適切に、そのガイドラインを再検討し、更新するだろう。

第4部 一般的条項 (a)この命令は、適応可能な法律と調和しながら実施され、予算割当の利用可能性の条件となるだろう。

(b)この命令のなかには、以下のようなことを損なう、もしくは影響を与えると解釈されるものは何もない。

(i)管轄の省、庁、もしくはそれらの長の、法律によって保証された権威、もしくは

(ii)予算、行政、法政上の提案にかかわる行政管理予算局の長官の役割

(c)この命令は、どのような権利や利益をつくることを意図しないし、つくらない。法律もしくは衡平法〔エクイティ〕において実質的もしくは手続き上、執行能力のある権利や便益を。アメリカ合衆国やその省、庁、もしくは存在、その当局者、被雇用者、もしくは当局者、もしくはそのほかの人物に対するどのような勢力によっても。

第5部 廃止 (a)ヒト胚性幹細胞にかかわる研究への連邦予算の支出を制限する2001年の大統領声明は、政府の政策の声明として、さらなる効力を持たなくなるだろう。

(b)ヒト胚性幹細胞研究についての声明である2001年8月9日〔の命令〕を補完する、2007年6月20日の大統領命令13435は、無効にされる。

BARACK OBAMA
バラク・オバマ

THE WHITE HOUSE,
ホワイトハウス
March 9, 2009.
2009年3月9日

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