《 書評 『若者殺しの時代』堀井憲一郎 | メイン | 「VoCE盗撮事件」は第2の「きんもーっ☆事件」か? その1 》

2006年05月20日

 ■ 軽く扱われるフリーター

石田衣良の白黒つけます!!:フリーター、ニートになるのは本人のせい?社会のせい?

 フリーター問題を語ろうとする時に、一番困るのが便器の糞のようにこびりついて取れない「フリーターとういものに対するイメージ」、すなわちリクルートが「フロムA」なんかを創刊した時のイメージです。
 今でも「モバイト」というCMでは、当時のイメージまんまに「フリーターとして稼いだお金で海外旅行」なんて事をやっているわけですが、そのフリーターのイメージでそのまんま格差問題が語られてしまう。つまり、当時のフリーターのイメージと、現在のフリーターの現状が、まったく異なったモノになってしまっているにもかかわらず、言葉だけは同じなので混同されたままなのです。
 そして結局、お金を持っている正社員がなぜか、お金が無くて苦しんでいる労働者たるフリーターに対して、露骨な僻み感情を見せるという、差別の図式になってしまう。この記事はその構図が明確です。

 特に困ったのが石田衣良の存在で、フリーターを「道に迷うもの」などと「差別」している。いや、フリーターは道に迷っているのではなく、道が一本しかなく、それがフリーターでしかないので困っているんですよ。
 そのことに気付かないのは、まさに石田自身が「フロムA創刊時代のフリーター」であったからで、当時の経験がフリーターに対するイメージを確固たるものにしてしまっています。特に「冒頭のおっちょこちょいの例を見てもわかるように、その状態が永遠に続くというわけでもない」なる言葉は、まさに石田が、現代のフリーター問題をまったく理解していないことを表しています。
 本来ならば「昔は昔、今は今」ということで、イメージの修正を迫ることが重要なのですが、昨今の各種「現在否定」言説(「昔は良かったのに、今は何かがおかしい」)が、修正を困難にしています。

 ところで、この「8割が自己責任」というアンケート結果は、先日書いた

これがもし「週5日8時間働いているフリーターは月30万円の給料を得るべきか」という問題ならば、全体的にせいぜい1割しか「得るべきだ」という回答はなく、年代が上がれば上がるほど否定的な回答が増えるだろうと予想する。

 という、予測がおおよそ正解していることを示しているといえよう。
 ただ、年齢に関しては、40代の「バブル崩壊直前世代=80年代に一番頭がおかしかった連中」がもっとも否定的なのか。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.journalism.jp/mt/mt-tb.cgi/2943

このリストは、次のエントリーを参照しています: 軽く扱われるフリーター:

社会的排除推進局? from フリーターが語る渡り奉公人事情
電車に乗るときに、キオスクで見た新聞の見出しに驚かされた。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060522-000... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年05月30日 01:18

ニートになるのは本人のせい? from Muse on Music.
MSN毎日インタラクティブ(毎日新聞)に「石田衣良の白黒つけます!!」というコーナーがある。そこで「フリーター、ニートになるのは本人のせい?社会のせい?」... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年06月02日 20:55