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2006年07月12日

 ■ わわわわ、ワーク……しぇしぇしぇしぇしぇ……

精神衛生上、数日は『バックラッシュ!』の話から手を引こうと考えていたのですが、その前にどうしても1つだけ突っ込んでおきたいところが。

共感はできても賛同してはいけない「『バックラッシュ!』を非難する」
 まぁ、本文はどうでもいいんですが、一番最後の追記部分に注目してください。

【追記】 「弱者男性の主夫化」以外の弱者男性に対して「尊厳と生きるために必要な金を提供しえる方法」について書こうと思っていたのですが書き忘れていました。金銭的な問題に関してはベーシックインカムが考えられますし、あくまで職を行き渡らせることを基本に考えるのであればワークシェアリングを導入しやすい制度にすることが考えられます。例えば、フルタイム労働を前提とした企業主体の福祉厚生を社会化するなどですね。詳しいことは述べませんが、ほかにもいろいろ可能性が考えられ、「弱者男性の主夫化」だけが唯一の方法とは決して言えない。また、「弱者男性の主夫化」が(社会的な解決として)現実的でない理由は本文中に述べた通りです。

 わわわわわ、わわわわわワーク……しぇしぇしぇしぇしぇしあああああしぇしぇしぇああああああああああありんぐ……わーくしぇありんぐ? ワークシェアリング! ワークシェアリングktkr。
 今の日本において堂々と「ワークシェアリング!!!」だなんて!!
 最近テレビにたまにジュリアナで扇子もって踊ってた「荒木師匠」が出ることがあるじゃん。あれ見てるみたいだよな。「うわー、こんな時代もあったなー」「うわー、なんかなー」って感じがそっくり。
 10年前ならその言葉を使う価値もあったけど、あれから時間が経って勝ち組負け組が明確化した今、その言葉を使うことになんの意味があるというのか。

 つーかさぁ。そんなの時代に取り残されたバカな学者さん以外の誰が、今の日本の現状で本当に成立させられると思ってんの?
 ほら、2007年問題とか言われてるのあるじゃん。「団塊世代の優れた技師が引退するので、技術がなくなってしまう。なので、団塊の世代を再び雇え」みたいなやつ。あれなんか、要は団塊の世代とかいうバカたれが「この仕事は俺にしかできない」「若造なんかに任せておけるか」って、慣れれば誰でもできるはずの仕事を利権化して、まともに継承してこなかったという問題なんだよ。
 団塊のバカ……というか、正社員という利権を持っているバカは、みんながみんな「俺の仕事は俺にしかできない大変な仕事なんだ」と思いこんでいて、そのことが自尊心になっているわけだ。だから当然そこに「ワークシェア」なんて文脈を持ち込んでも「俺の仕事が若造にできるはずがない」って言うんだよ。本当は教えれば簡単に伝わるんだけど、それはできない。自分にしかできない仕事があると思いこむことが、仕事人間、すなわち日本型大人の存在意義だからね。
 それは決してマッチョな人だけではなくて、左傾論者も「ワークシェアリングをするべきだ」といいつつも、「でも俺の仕事は俺にしかできない」と思いこんでいる。要はどっちも若者に仕事なんか渡そうとしない。右も左も、日本人は本人しかできない仕事をすることで「大人」を確定させてきたのだから、それを否定することなんて絶対に不可能だ。だから日本の会社は不況のはじめにロクに大人をリストラせずに、若者の採用を極小に押え込んだ。責任で言えば、大人が全ての会社の全ての社員が全員退職する必要があったのにもかかわらずだ。
 その結果、若者にはバイトや派遣の仕事といった「時給750円ワーク」だけが譲渡されるわけだ。そして仕事の足りない若者が、その他の仕事の足りない若者と、時給を分け合いながら、へとへとになって仕事をしている。こりゃ素晴らしいワークシェアリングの末路だ。あまりに情けなくて笑いが止まらないよ。

 現実をロクに見ていない、引用先の中の人には分からないだろうけど、君の夢見る「ワークシェアリング」の禍々しい姿が、いま現状として表われているんだよ。


 いいか?
 「男女平等」も「ワークシェアリング」も、この言葉を使う時は、「既にこの言葉が現状に取り込まれ、(悪い意味で)換骨奪胎されていること」に注意を払うべきだ。
 そして、どうしてもこの言葉を使いたいなら、たっぷりと注釈をつけたうえで、こっそり小声で、別の主張の裏に隠して、この言葉を使え。
 俺ですら男女平等を叫ぶという行為を、このように「反々バックラッシュ」という捻じれた行為を通してしか叫ぶことができないのだから。
 そしてせっかく使うなら、心の奥底で恥ずかしく思いながらも「それでも主張しなければならない」という羞恥心と絶対的な意思の間でこの言葉を使え。

 それができないのなら、そんな言葉つかわないことだ。どっかの先生のように上辺だけの知的な、大衆を見下したおしゃべりで終るのがオチだから。

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