《 暗い日曜日 | メイン | 宮台真司の「まったり詐欺」 〜バブル受益世代の自己肯定文脈に騙されるな〜 》

2006年08月06日

 ■ コメントに対する返答

件の場所がコメント欄を差し止めてしまったので、仕方なしにこちらでコメントに対する返信を掲載。どれだけの人が見てくれるかは知らないけど

crafty さんへ

>先延ばし、なにも解決しないというのは、
>再配分、つまり強者がコストを払わなければ意味が無いということでしょうか。

 その通りです。
 現在においては「弱者から強者へ」の金の流れはあっても、「強者から弱者へ」の金の流れがまったくありません。というか、そうした流れが一方通行になってしまったからこそ、現在の格差問題が発生しているのです。
 ですから、なんとか「強者から弱者へ」という金の流れを作り出さなければなりません。

>それなら、やはり再配分を結婚という形で実現するよりは、お金の形でルームシェアのコストを援助させたり、
>ベーシックインカムを保障する方が多くの弱者男性にとっては現実的な気がします。

 問題は「それを誰がするのか?」です。
 だれもしないからこそ、「結婚」という極めて個人的な場所にまで引き下がってそれをしなければならないのです。また、誰かさんは政府のせいにして再配分を拒否しますが、個人レベルでも再配分は達成できるということの実践でもあります。
 私がこんなことをしなければならないハメになっているのは、もちろんいわゆる「ネオリベ」の仕業であることはもちろん、そうしたネオリベ思想が蔓延る現状に対して、何もせずにただ傍観し、口先だけで「ワークシェア」だの「男女平等」だの言って金を稼いでいるようなバカ鸚鵡みたいな連中の仕業でもあります。

>それとも弱者男性が単に生活が送れるだけじゃ駄目で、結婚したり子供を持てなければ意味が無いのでしょうか。
>赤木さんは、問題は弱者男性が死なずに生活を送ることで、
>結婚はそのための手段である、とおっしゃっているようなので、これは違うと思いますが。

 ええ、生活さえできれば、それ以上のことは各個人が決めるべきことです。
 しかし、生活できる人間と生活できない人間がいる場合に、生活できる人間がただ自分の利益のみを考えて生きるならば、それはネオコン思想だと罵られるのも当然でしょう。


nector さんへ

>macskaさん、赤木さん双方に、議論する能力の欠如がみられます。
>http://www.kt.rim.or.jp/~jda/intro/intro4.htm
>このあたり呼んでみては如何でしょうか。

 わたしはそういう議論のありようを「教養主義的」として批難しているのです。
 仕事に追われて本を読んだりする余裕のない実際の弱者と、生活も安泰で仕事で本を読めるような特権階級の人間が、そうしたパーソナリティーを不問にされて「「誰が」ではなく「何を」議論したのかが重要だ」などと言われてしまえば、どうしたって特権階級の人間が議論に勝つに決まっているのです。それはまさしくネオコンの思想でしょう。
 社会についての議論は、各自の利益が絡むために、純粋な議論とは絶対になりえません。科学の問題をやっているわけではないのですから、非純粋さをその議論を非難するための根拠とするべきではありません。(昨今の科学偏重的な考え方も、教養主義の暴走か?)
 本当に正しい社会議論をするためには、「誰が何を言ったのか」こそが最重要なのです。


HAKASE さんへ

>まず,最初にお願いですが,「比較する際は基準を明確にすべき」という点について同意いただいているか否かを明確にしてはいただけませんか?

 私はこれまでの話について、ずーっと基準を明確にしています。それは「生活できるかできないか」ということです。
 にもかかわらず、あちらの人が必死に「ある一面では強者(or弱者)なのだ」とかワケの分からないことを言っているので、困っています。

>もし同性愛者の家族等との関連について具体的な状況を知らないために,比較ができないのでしたら,まずはそう書いていただけないでしょうか?ちなみに,私自身もいろいろな問題に対して詳細を知らないために私個人では比較をすることができない事柄がたくさんあります.そして,そのことは,「基準があいまいな状態で,具体的な事例のともなわないで,2者を単純に比較をすること」に対して私自身が疑念を感じる理由のひとつにもなっています.

 ところで、なぜそれほどまでに「家族との関係」が重要なのでしょうか?
 同性愛者が、すくなくとも自分の生活を保証できる賃金を得ている場合に、もし家族がそうした嗜好を見抜き、そのことを批難し、露骨に差別を加えて来たとしたなら、その人は家族との関係を絶って生活すればいいだけの話ではないのですか?

>それから,私からの2つ目の提案についてですが,赤木さんがおっしゃっていることの趣旨は(細かい点を別にすれば)おそらく同性愛者でもある私は十分に実感を持って理解していると思います.私も,実生活においては,よほど重大な問題でない限りは,自分のことをノンケの知人にはなかなか話せないですから.

 別に、そんなこと話さなければいいだけの事じゃないですか。
 話したっていいですが、それで関係を絶たれるようなら、それはそれでしかたないんじゃないですか?

>生死の問題まで出すほどのことですから,それを差し置いてでも解決すべき問題があるのかとも思っていましたが,書き込みの状況から察するに,赤木さん個人の状況に限定すれば,現状では,まだ,そこまで深刻というわけではなさそうですし,今のところは自分の経験を述べるのは無理だというのでしたらそれはしかたがないと思います.

 30過ぎた人間が、仕事を欲しながら、生活のできるだけの賃金が得られないというのは、日本社会においてはそうとう深刻な問題なんですけどねぇ。
 あと、あなたがこれまで言った「家族」や「知人」の問題の何が重大なのか、サッパリ分からないのですよ。というか、そんなことで「同性愛者は差別されてる」なんて言ってるんだったら、まさに「同性愛者に対する差別なんて全くない」といっていいレベルでしょう。
 その程度のことで「赤木さんがおっしゃっていることの趣旨は(細かい点を別にすれば)おそらく同性愛者でもある私は十分に実感を持って理解していると思います」などといわれても、こちらとしては「そんなくだらない問題と一緒にするな」と憤りを感じます。

 弱者男性なんか、家族には当然のように疎ましくされ、知人との関係など恥ずかしくて持ちようがない。しかし、それでも自分ひとりでは生活できないから家族と暮さなければならないという、あなたには想像もつかないであろう苦痛を常に味わってますよ。それが分からないから「そこまで深刻というわけではなさそう」などと言えるんでしょう。

>ご自身の体験であるか否かは別としても,困難な状況について当事者が具体的な例を出せないと,(特に周囲の人たちが気付きにくい問題点についてはなおさら)周囲のひとたちと協力しながら状況を改善していくことは難しいと思います.それをせずに抽象的な問題提起や論の展開をするだけでは状況改善は(不可能ではないにしろ)難しい,という点については,理解しておいていただければと思います(十分承知の上でのことかもしれませんが).

 それについては同意しますが、弱者男性の具体例というのは恥辱と屈辱に満ちたものです。それをなんの保証もなしに「さらけ出せ」というのは、かなり厳しい話のように思います。


xanthippe さんへ

>奥さんがほしい!っていうキャリア女性はおりまするよ。東京あたりで夜の12時過ぎに電車から吐き出されてくるような女性たちの多くは、それに近いことを言っているのではないですかね?知人の娘さんもそうです。

 じゃあ、その知人の娘さんを紹介してくれませんかね。
 まぁ、もっとも本音はどうか知りませんが。

>ただ、キャリア女性ではあってもジェンダーによる拘束(差別)を受けている現実はあって、仕事を続けるのであれば、結婚して子どもを生むなんてこととてもじゃないが無理、と多くのキャリア女性は考えている。 多くの女性には「仕事か結婚して子供か」、の二者択一しかないんですよ。今のところね。

 だから、私は「子育てをします」と宣言しています。
 ただ、妊娠に関しては体の機能的に男は代替できないのですから仕方ありません。個人的には試験管ベイビーでいいと思いますがね。

>強者女性というのは多分、「仕事も結婚子育ても」をゲットした人だけですよ。二者択一で仕事を選ぶしかない女性は強者とはいえないと思いまするなあ。弱者ですよ。

 私が言っている「弱者」とは、自身で生活できるだけの賃金を得られない人のことです。弱者は仕事に就けないからこそ弱者なのです。生活できるだけの賃金を得られる仕事に就ける時点で時点で強者なのです。

>んだから、こういう弱者女性を支え、励まし、おだて、余分な心配をさせないように家庭を守り、家計管理や子育てに励み、必要な時にはパートで家計を支え、あるときには熟練ホストのようにサービスし、仕事のアドバイスも適切にこなせる秘書の役割まで果たすことができる男性がいれば、良い組み合わせになるんじゃないですかね?料理がちょっとできるだけじゃ無理でしょうけどね。

 仕事のアドバイスをする主婦って聞いたことないなぁ。むしろ「男の仕事に女は口を出すな」でしょ。

ついでに、書き込んだものの承認待ち(でも、承認されることはない)のmacskaへのコメント

>わかりました。前言通りあなたを議論の相手とはみなしません。
>今後二度とわたしのブログにコメントを書き込まないでください。
>ただし、気が変わって撤回する気になったなら、macska AT macska DOT org までメールでご連絡をいただければ柔軟に対処しないわけでもありません。

 残念ながら、そういうわけにもいきません。
 他の方へのコメントを保留にしてしまっているので、それに答えないといけないからです。私はあなたと違って「ちゃんとやるべきことはやらなければならない」という責任感がありますからね。
 別に議論の相手と見なさないならば、あなたが私にコメントを返さなければいいだけの話です。
 それに、私はあなたの言いがかりについて、あなたに対してではなく、他の人たちに対して、自分の名誉を守るために、返答せざるを得ない状態になっています。
 だから、あなたのコメントに対して返答をしますが、あなたは私にコメントを返さないでください。それでいいでしょ。


>> 10年も口約束だけで、それをまったく果たす気なんかないくせに、なんで
>> そんなに偉そうなんですか?
>赤木さんこそ、どうしてそんな偉そうなことをわたしに言うんですか?
>10年前に口約束をした人がいるのであれば、その人を問い詰めるべきでしょう?

 そういう口約束をしたのは、左傾論壇そのものですよ。
 とうぜんそこに含まれるあなたは、その責任を負うわけです。

>しかし、この問題において一般的な意味でいう自己責任論(すなわち、弱者男性が苦しい立場に置かれているのはかれら自身のせいであるという論理)をわたしが主張したことは一度もありません。

 わたしに対するコメントでは、何度も何度も言ってますけどね。「それはコメントであって、主張ではない」とでも?

>> 『バックラッシュ!』の紹介を見ましたが、どう見てもあなたはご立派な
>> 経歴を持つ「大先生」じゃありませんか。
>何か大きな誤解をされているようですが、少なくともあなたから「強者」と呼ばれるような立場ではありません。

 誤解でも何でもなく、『バックラッシュ!』の執筆者のほとんどが明確な強者ですよ。いやぁ、本に書かれて恥ずかしくない、ご立派な経歴の方ばっかりで。
 そいえば、どっかのBlogで鈴木謙介が職業欄にフリーターだとか書いていた画像がありましたが、あれほどフリーターをバカにした話はありませんね。


>でも、わたしを含めここで赤木さんに反論している人のだれも、男性弱者の問題をないがしろにしていません。他の問題も重要であると言っているだけです。ところが赤木さんは、他の差別はほとんどないと言っても良いほどだと言い放ち、自分の問題だけが最優先だと主張しています。つまり、他の団体はこれまでやってきたこともいまやっていることも全部放り出して、あなたのことだけをあれこれ手助けしてあげなければ「差別主義者」だとあなたは決めつけている。そんな調子で、さまざまな反差別運動のあいだの協力関係が築けるはずがないでしょう?

 千日手ですね。
 もっとも私が言えるのは、あなたがたが積極的に男性弱者救済に協力しなければ、バックラッシュの流れは、これまで以上に強まることは間違いないということです。
 そして、多くの弱者男性は、バックラッシュによって古くさい弱者利権が消え去ることを期待しています。
 リベラリストたる私としては、そのような事態にはなってほしくないのですが、あなた方がそういう態度なら、それもしかたないと観念するしかないようですね。残念ですが。


>強者は弱者の問題などまったく想像の外にある、それはよくあることです。だからそれが今の議論にどう関係するのか、あなたは全く説明していません。もしあなたと議論している人たちがその「弱者の問題などまったく想像の外にある」強者だというなら議論に関係ありますが、ここで議論している人は一人の例外もなくみんな「給料をロクに受け取れない弱者の問題」を想像の内に置いています。すなわち、議論に全く関係ない。

 この話は、この問題の土台そのものです。
 女性や部落や民族が、いまだに差別されていると言い張るのも、
 あなたが自分を弱者であることをまったく認めないのも、
 弱者男性の早急な救済を認めないのも、
 すべては左傾論壇が「給料をロクに受け取れない弱者の問題」を想像の内になど置いてないからです。
 それが分からないなら、それは「経済格差に対する知識がない」と言うほかありません。


>> さしずめ女性優位論壇にとっては「赤木智弘が書かなければ、男性弱者など
>> 存在しない。男性弱者って言うな!」といったところでしょうか。
>そう言う人はどこかにいるかもしれませんが、少なくともいまここで議論している中には一人もいません。もし「いる」と思っているなら、被害妄想に過ぎません。

 へぇ〜。私はそういう人をけっこう近場で見かけたんですがね。


>わたしが「それを解決するには、再分配するしかないでしょう?」と言っている部分を引用しながら、「なんであなたは再分配の実施を否定するのですか?」と問うというのは、いったいどういう神経をしていたら可能になるのでしょうか? 支離滅裂です。

 言うことと、やることはイコールではありません。
 あなた方がそういうことを言いながらやらないで済んでいるのは、まさにあなた方が強者だからですよ。


>> とっとと再分配してくださいよ。なんでそれを必死に否定するのですか?
>わたしに決定権限があれば、とっくに再分配を実施していますって。しかし、わたしは再分配を一度も否定していないのに、あなたにかかると「必死に否定している」ことにされてしまう。そんな間違った決めつけによって「差別主義者だ」「ネオリベだ」と言われても、「議論の通じない相手だな」と思うだけです。

 最近、宝島社とか飛鳥新社から、くだらないウヨクのための読み物がよくでてますが、そういう人たちにはウヨクである弱者にお金を再配分する「決定権限」があるようです。


>> じゃあ、私は一体どういう側面で強者なのでしょうか?
>まず、男性ですね。それから、お嫁さんを募集されているところをみると、おそらく異性愛者ですね。これまでの在日朝鮮人差別や部落差別に関する無見識から想像するに、生まれながらに日本国籍であり、被差別部落出身として差別を受けてもいない。賃金労働をしているというところからして、重度の障害者でもなさそうです。また、わたしと同様に先進国にたまたま生まれついたことによって恩恵を受けていますから、それも含まれます。少し軽く考えただけでも6つの側面が見つかりました(他にもいくらでも見つかると思います)。

 男性だから、生活ができるだけの賃金が得られないことに、過剰に悩まなければいけません。女性は就職できなくても、結婚してしまえばいいんですから楽ですね。
 異性愛者だからといっても、賃金がロクに得られないので恋愛なんかできません。
 在日でも部落でもないから、強力な労働団体などの協力が得られず、賃金が得られません。部落だからこそ月20万の固定給を得られたA君の話は、前に出しましたね。
 重度の障碍者ではないから、賃金が得られないことは自己責任だと非難されます。
 先進国に生まれたからこそ、賃金格差が存在しています。どっかのジャングルの奥の部族に生まれたなら、このような差別を受けることもなかったでしょう。

 というわけで、その6つの側面すべてにおいて、私は弱者です。


>> クリティカルな問題なのだから、優先順序を先にしろと言っているのです。
>まず第一に、クリティカルな問題はそれ一つではない。第二に、優先順位を先にしろと主張したいのであれば最初からそう言えばすむわけで、他の差別は「ないと言って良い」と決めつけたり、自分に完全に同調しない相手を「差別主義者」「ネオリベ」などと決めつけて非難する必要はありません。それらの言説についてきちんと撤回したうえで「他の問題が重要なのもわかった、でも今この問題はすごくクリティカルだから少しでも早く対処して欲しい」と訴えるのであれば、まだ話をする価値もあったのですが。

 だから、その問題を延々放っておいたのは誰なんですか?
 そうした態度は、非難されて当然でしょうに。

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