《 上野千鶴子先生が、私の平和観を肯定してくださっています | メイン | 更新というよりも、落書き 》
2007年06月03日
●テレビ朝日「オタクの末路はホームレス」秋葉原編:「アサリ屋」は実在するのか?
場所や日程の組み替えは個人的に問題だと思わないのだが、やはり売って値段がつくような品物が、秋葉原のゴミ袋に入っているというのが気になる。
しかし、問題の本筋は、こうした報道が「ホームレスになってしまうような非」をホームレスの側に押しつけ、現実のホームレスを産み出すような社会構造を擁護してしまっていることだろう。
「ワーキングプア」とは、「(真面目に)働いているのに貧困である」ことを明確に示した言葉だが、「ネットカフェ難民」という言葉からは社会構造の問題をうかがい知ることはできない。
その結果、貧困層に対する「誤った指摘」が生まれることになる。
その具体例が、愛・蔵太による「ネットカフェ難民なんてただの報道の演出です」という記事だろう。ここに「貧困層に対する誤った理解」が、既存の「マスコミ不信」とシンクロする形で歪曲されてしまった例を見ることができる。
愛・蔵太は「3万円以下で借りられる部屋もあるのに、それ以上の金額をかけてネットカフェに泊まりつづけるのはおかしい」という。それに対して、「敷金礼金が必要」「保証人が必要」などというコメントがつくのだが、そもそもこの問題設定自体がおかしいのである。
なぜなら、ネットカフェ難民にとっての「ゴール」は「定職について、当たり前の生活ができるだけの収入を安定体に得ること」であって、「部屋を借りて住むこと」ではないからだ。
世間の多くのワーキングプアは、実家や安い賃貸住宅に住んでおり、一見では貧困層だとは分からない。
しかし、TVというメディアは、放送するために「映像」を必要とする。「ワーキングプア」という概念そのものを映像化することは容易ではない。そこでワーキングプアの生活を映像化する。
そうした中で「よりインパクトのある映像」を求めて、概念自体を歪曲させていく。
そして視聴者は貧困のあり方を「映像のとおり」に受け取ってしまう。そして安直な結論を自身の中に見いだす。
結果、多くのTVの前の既得権益層は、全ての国民が荷担する経済問題を、ただの娯楽として浪費していく。
このような構造を、どのようにして解体していけるのか。ワーキングプアの問題は、そういうレベルから解決していかなければないないように思う。
●なんか、たまたま『おはよう奥さん』を読んでいたら、「子供の安全安心はほんとうのところどうなのか?」なんて感じの見出しがあって、どうせ「子供は危険に晒され続けているから、安心携帯とかココセコムと契約しろ」なんていう脅迫記事なんだろ。なんて思って読んでみると、いきなり「子供が他者によって殺される件数は減っている」と、真っ当なデータを元に浜井浩一が書いていた。
他にも、ゲーム脳言説に対しては坂元章、環境問題に対しては渡辺正と、主婦誌にはありえないメンツが、学者の立場から極めて真っ当な批判を行っている優秀な記事だった。
で、「誰がこんな記事をまとめたんだ?」と思って、よく見たら「文 安原宏美」と書いてあって、「ああ、なるほどな」と。
このような記事は、私たちのような社会学に興味を持ち、論壇誌を読んだり、ネット上での議論に首を突っ込むような人間にとってはもはや「前提」の話ではある。
しかしその一方で、子供の危機を煽り、凶悪な犯罪が急増しているというような報道をくり返すワイドショーがターゲットにしている「主婦層」にとって、このような記事は極めてインパクトが大きなものだろう。
いかに「言論が届かない層」に言論を届ける事ができるのか、それを考える必要があるなぁと思いました。
ちなみに、なんで主婦誌なんかを、たまたま読んでいたかはナイショだ。
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トラックバック時刻: 2007年06月04日 11:14
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浮かび上がらないマスコミの問題 [続きを読む]
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2007年5月8日のテレビ朝日ワイドスクランブルで、また若年ホームレスの報道がありました。今度は秋葉原の二人組のホームレスで、やはり店舗から出たゴミ袋から... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年06月05日 23:42
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ここ... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年06月06日 16:57
》 補足:ワイドスクランブル「アキバホームレス(アサリ屋)」検証 from フィギュア萌え族(仮)犯行説問題ブログ版・サブカル叩き報道を追う
ワイドスクランブル「アキバホームレス」報道についての検証サイトに補足しました。
下記のリンクをご覧下さい。
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ワイドスクラン... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年06月10日 22:59
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