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2007年10月17日

 ■ 「横の連帯」「縦の連帯」

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またなんか文章が書けなくなってきたな。
 リハビリをかねて、考え途中のことを適当に書き連ねてみる。

この間、PARC自由学校で話をした時に、平井玄さんと「横の依存」「縦の依存」という話になって、それ以来そのことの重要性を色々と考えている。ここでいう依存という言葉は「連帯」と置き換えてもいいだろう。
 私は、現状をどうにかするためには、「縦の連帯」が必要不可欠であると考える。すなわち、権力やお金を持っている人間と、持っていない人間の連帯だ。
 平井玄さんは「それは絶対にありえない」という、そして「横の連帯」すなわち、同じような立場にある人たちの間で、情報や必要なものを共有するべきだという。
 私だって、「縦の連帯がありえない」ということは、分かっている。しかし、それを単純には受け入れるべきではない。単純に受け入れて、貧困者の横の繋がりだけで、私たちは貧困を背負わされることを受け入れなければならないのだろうか? 私はそこまで諦念していない。だからそのためにも戦争までもを持ち出して、強引にでも希望を繋がなければならないと考える。
 小林拓矢さんは私を「シンデレラボーイ」だという。
 たしかに、私が得た幸運は、同じライターや、同じ弱者たちにとって、非常にまぶしいものだろうとは思う。
 しかし、私に声をかけてくれた論座の編集者にしても、単行本の執筆を任せてくれた谷川さんにしても、彼らのしたことは「自分の興味にそった人間を、市井から発掘してきて、ページを与える」という、編集者としては「ごくごく当たり前の仕事」に過ぎないのではないか。(もっとも、現状では「市井」が当たり前ではないのかれもしれない。現状を踏まえて分析的な文章を書くだけなら、それこそ論壇誌の主執筆者である大学教授に頼んで、そういう文章が書けそうな院生を連れてくればいいだけの話なのだし)
 その他の仕事についても、仕事をしたいと考えている人を連れてきて、実際に仕事をさせる。そうしたことが就業の第一歩になるはずで、現行のような新卒の資格をもった人間しか、正規の雇用ルートにのれない状況そのものが誤りではないのか。
 だから、問題は「若者が働かない」ではなく「企業が働かせない」であり、逆にいえば若者を始めとする非正規労働者が「働きたい」と考えているからこそ、あのような派遣会社が成り立って儲かっているわけだ。仮に世の中に働かない若者ばかりいるとしたら、そんな若者を派遣したって当然働かないんだから、派遣業なんて成立するはずがない。

 そうした意味で、企業の中で人を採用するような権限をもつ人間と、不安定労働層が結びつく「縦の連帯」こそが、就職氷河期問題を根本から解決する唯一の手段ではないかと、わたしは考えている。
 そのために私は「強者に道徳を強要する」とか「強者と弱者を結婚させるべきだ」と考えている。
 そしてそれは決して簡単ではない。平井さんのいうように「ありえない」のかもしれない。
 しかし、同等の立場にいる人間、もしくは上の立場にいる人間が我々と同じところまで降りたフリ「同胞」みたいなことをいう「横の連帯」では、一時しのぎのノウハウを蓄積することはできても、問題の根本的な解決には至らない。もやいの湯浅さんのやっていることは、横の連帯を利用して、生活保護という「行政と弱者の結びつき」をつくり、やがて「就業という縦の連帯」に持っていくことであり、決して彼のいう「溜め」は一時批難であって、溜めの中に安住させることを目的としているわけではない。

 もちろん、横の連帯を軽視するわけではないのだけれども、横の連帯は一時的なセーフティーネットにすぎない。
 ましてや、上の立場にいる人間が、下まで降りてきて「私たちも仲間です」などと、共感によって立場を偽装するようでは何も解決しない。
 まずは各自が自らの立ち位置に立って、自分が本当にできるだけのことをする。
 それだけでも、現状は変わってくるのだと思うのだけれども。

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