調べ物をしていて過去の月刊『現代』の記事を読みたくなった。『現代』なら合本化されて大学図書館の書庫にあるので時間効率的にとても助かる。
同じことがネット記事ではできない。過去記事のアーカイブが案外とあっさり消えてしまうし、そうなるともう探しようもない。
図書館が雑誌を収蔵していた延長上にネット記事のアーカイブを保存する方法が確立され、印刷メディアの収集保存とシームレスに接続されないものか。Cinii等で横断的に検索できるようになるとさらに良い。今もPDFファイル化されてレポジトリに置かれているアーティクルは検索できるので、過去のネット記事が消去などで検索不能になった場合はPDF化して自社のサ-バーでもいいし、コスト負担を嫌うならしかるべき公共的機関に預けて保存してもらう。そうでもしないとネット時代になってから後の方が資料が残されず、探せもしないという逆説が生じてしまう。
配信元としては図書館に購読を求めたいのかもしれない。ライブラリーエディション的な割増販売を確立しているところもあるのかもしれない。ただ図書館で(聞蔵などの有雨量データベースはあるが)有料ネットサイトの過去記事を閲覧させている例にいまだ出会ったことがないのでそこはうまく進んでいないのだろうと思われる。購読する例が増えたとしても消えてしまっては図書館のアーカイブ機能を果たせない。そこをなんとかしないまま紙版の雑誌が消えてゆくと、過去に訊ねることができなくなってしまう。そしてネット版の消えることで消去がコンプリートされる。日経ビジネスオンラインの過去記事も先日消えた。