『見ないを見る−−川崎市ホームレス緊急一時宿泊施設建設を巡る声と力−−』宮田清彦

1章 都市と消費者の親密な関係


ホームレスは数えられない
 遙か昔から、ホームレスに類する人々はいた。しかし、日本において、ホームレス問題が次第に注目を集めるようになったのは、97年〜98年くらいだろうと言われる。不況のあおりの中でホームレスは急激に増加し、目につきやすい存在となった。国も問題としてそれを認知し、2002年、国のホームレス自立支援特別措置法が制定。解決へと乗り出した。
 自立支援法の制定を受けて、全国調査が行われ、ホームレスは全国に約3万人いるという数字が出た。川崎市の2004年の追跡調査によれば、川崎市に住むホームレスは1028人。しかし、これらの調査は目視で数を数えるという方法をとっているのだが、全てのホームレスを発見してカウントできるはずもなく、正確な数値を示しているわけではない。
 解決へと乗り出すまでの長い時間と彼らの人口の捉えにくさは、それだけ問題の理解しにくさを示しているかのように思える。
 しかし、理解されにくいその問題は、理解されないまま変化しつつある。そして、それは、川崎から見えてくる。


前のページへ  作品一覧へ  次のページへ