『「死にがい」の現在』宮田清彦


  0、方法
 

 しかし、2004年における死。そんな物はどこに行けば見えるのか。頭を捻った。見つからない。そんなものが簡単に見える場所など見つからない。仕方がないので、不十分とは分かりつつも道具立てを用意し、「死」を集めることにした。
 今回、「死」を集めるために用いた手法について説明したい。1988年以降から最新まで約400誌の雑誌に掲載された約200万件の記事索引データベース「Web OYA−bunko」を利用し、「死生」というキーワードを入力し、検索を行った。そして、その件数と内容を年ごとに比較した。また、2004 年の記事に関しては、一通り通読した上で、その分析を行った。検索の範囲が及ぶのは、掲載されている雑誌の記事のタイトルと、大宅壮一文庫が作成している独自のインディックスである。即ち、タイトルとインディクスに「死生」が含まれる記事が抽出される。
 雑誌の記事には、その時々の人々の考えや雰囲気が表れている。つまり、雑誌の記事の量や内容の推移と社会における「死」への考え方には相関関係があるはずで、雑誌記事を検討することにより今の人々の死に対する考え方を抽出しようという試みだ。もちろん、こうした方法は限界もあるわけだが、一つの方法としてやってみる価値はあるだろう。本来ならば、新聞、映画などを範囲に含めて調査の精度を上げるべきだと思うのだが、労力の問題から割愛する。しかし、新聞に比べて市場の影響を受けやすい雑誌は、時々の人々の欲求を表しやすい。より今回の調査対象として、適したメディアと考えられる。


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