『1969年の上野高校学園闘争』高橋直純

終わりに代えて
 本ルポルタージュは、1969年に都立上野高校で起きたバリケード封鎖とそれに付随する出来事を、残された資料・証言を元に、同校の卒業生で取材・執筆時23歳であった筆者がまとめたものである。2004年に開講された東京大学先端科学技術研究センタージャーナリスト養成コースの課題として書かれた。2004年10月に「1969年の上野高校学園闘争(前半部)として未完のまま、同コースのウェブサイトに掲載されたものに、加筆・修正されたものである。前半、後半という区切りはなくし、本作をもって完成とする。多くの人にご協力を頂いた。改めて深く感謝したい。また、完成がここまで遅れてしまったのはひとえに、筆者の怠惰による。関係者には謝罪する。
 コースの課題として、ルポルタージュの執筆が与えられた時、母校の学生闘争をテーマにしようと思った直接のきっかけは、OBとして顔を出した部活の練習の際に聞いた制服導入問題である。どのような高校生活をおくるかは在校生自身が決めればよいと思う。だが、彼らが上高の自由な雰囲気を残していこうとするのならば、本作がわずかばかりのエールになればよいと思いながら執筆した。
 本作の最後の取材は母校での副校長へのインタビューだった。繰り返しになるが、在学中に母校で感じた「自由」の価値を上手く喋れず、己の不甲斐なさを実感させられるものだった。語りづらいものを語り続けようとする意思と能力。それらがなければ、「自由」のようなものは守れないだろうと実感した。


参考文献
村上龍1987年 「69」  集英社
秋葉安茂1987年「学校の草  近代文芸社
四方田犬彦2004年「ハイスクール1968」 新潮社
東京都上野高等学校研究部1972年「資料 上野高校の教育改革」
東京都立上野高等学校1969年「自主ゼミ実施集録」 
図書サークル1976年「自主ゼミ再考察 −昭和51年度 東叡祭参加作品―」
東京都立上野高等学校1994年「創立70周年記念誌 うえの」
森杉多1976年「自主ゼミ創出 −希望の教育−」 学事出版株式会社
校友会誌「創」委員会 1969年「校友会誌「創」昭和43年度」   
校友会誌「創」委員会 1970年 「校友会誌「創」昭和44年度」 
森杉多1994年「戦争と教育−ノモンハン・沖縄敗残兵の戦後―」   近代文芸社
柿沼昌芳・永野恒雄・田久保清志 1996年 「高校紛争」 批評社
大内文一・小川吉造・武石文人・山領健二1983年 「学校新聞からの証言」  新評社
杉本一1988年「高校生「第九」を唄う アア高校紛争」    
中沢道明1971年「高校紛争の記録」 学生社 
1969年「世界は業火につつまれねばならない」  しいら書房 

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