『1969年の上野高校学園闘争』高橋直純
第5章 闘争を成功させもの
ここまで駆け足で1969年のバリ封を頂点とする上野高校で起きた一連の改革を見てきた。そして改めて最初の問いについて考える。上野高校における闘争は比較的成功裏に終結することが出来たと言われている。教育評論家の丸山邦夫氏は1970年2月号の「蛍雪時代」の中で、上野高校の改革を「(学生の処分がなかったことと ※筆者)高校紛争における、これも(3つの要求が通ったこと ※筆者)はじめての「無血革命」といえるのかもしれない」と述べている。多くの高校で、関係学生の停学、退学、警官隊の導入という処分が行われた中で、なぜ上野高校は他校と違う形で紛争を解決できたのか。それは、多くの人が述べているように、教員の大きな理解と、セクトから離れ一般学生のシンパシーを集めることが出来た全闘委の組織としての性格によるものだと思う。