『犯罪者の仮面を被らされた者たち Vol.2』遊佐春奈


はじめに

 ある日の夕方、近所のスーパーに向かう途中、前を歩く女性2人を追い越した。フィリピン人女性だった。近所のアパートにフィリピン人女性が数人で住んでいて、フィリピンパブで働いていることは知っていた。夕方、ミニスカートを履いた彼女たちを黒塗りの車が迎えに来ることもしょっちゅうだった。
 しかし、その日は様子が違っていた。スーパーから帰る途中、まずパトカーが目に入った。そして、数メートル先で、警察官に連行される先ほどの女性たちとすれ違った。警察官はタガログ語で何やら質問しているようだった。
 近所にフィリピン人女性が住むようになって10年くらい経つが、こんな光景を見かけたのは初めてだった。フィリピンパブで働くエンターティナーたちの取り締まりは確実に強くなっている。それでも、興行ビザを厳格化し合法的な単純労働のビザを発給すればフィリピン女性のためになる、女性たちが合法的な職に就くことができるなら取り締まりもやむを得ないのかもしれない、と思っていた。ハニーとアキに会うまでは。

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