『犯罪者の仮面を被らされた者たち Vol.2』遊佐春奈

現実味を帯びて行く……

 そんな、単純労働者受け入れが必ずしも人身売買の解決に直結するとは限らない、全ての女性移住労働者のためになるとは限らない、と思い始めた頃のこと。おりしも、政府は「人身取引対策行動計画」を練っていた。その中には「人身取引を防止するための諸対策の推進」として、「興行」の在留資格・査証の見直しが挙げられている。3日後(2004年12月7日)には策定された。
 2004年10月にはマニラで行われたフィリピンとの自由貿易協定(FTA)第5回交渉で日本政府が看護師・介護士受け入れに関して在留期間制限を事実上撤廃する方針を示した。11月にはラオスで行われた2国間協議(EPA)にて、とりあえず200名(介護士100名、看護師100名)の労働者受けいれを合意している。
 フィリピンでは既に200以上の許可を受けた業者があり、約8万人が介護士・看護師を目指して勉強しているという。構造はエンターティナー派遣と同じで、エンターティナー派遣時のプロモーター、店、ブローカーが、それぞれ、訓練機関、介護センター、派遣業者になっただけだ。先ほど紹介した民間エンターティナー養成・斡旋業者Empireでも、エンターティナーに引き続いて現在、日本向けの介護労働者の養成にも力を入れ始めている。しかし、「エンターティナーの送り出しはやめない」。DAWN−JAPANのスタッフがEmpireを訪問した際、代表のNieva氏はそう断言していたという。

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